質問への答え



当ブログに日本の大学院で造園学を学ぶ方からコメントを頂いて、
北欧でランドスケープを学ぶことの意義と
北欧において、ランドスケープという職業はどのような位置にあるのか
というご質問をいただいたので、私なりに答えてみました。
他の方にも参考になるかもしれないので、載せておきます。

北欧でランドスケープを学ぶことの意義は何かというご質問でしたが、
私の意見がどれくらい参考になるかわかりませんけど、私なりに答えてみたいと思います。
まず、ブログをみてもらったらわかると思うんですけど、私の専門は建築です。
よって、建物を建てる側としてもっとランドスケープを意識する必要があるんじゃないかと言うのが、私の着眼点です。私は建築士になり建築設計をしていくつもりですが、
その時に建築と外部の関係性を意識することは非常に重要だと思うからです。
今私が所属している学科はUrban Ecological Planningというコースで、「ランドスケープ」を学ぶ学科と名が打っているわけではないのですが、今までのUrban Planning(都市計画)のやり方を批判する形で、自然やそこに住む人びとにもっと焦点をあてた都市計画のあり方を探っている学問です。私としてはランドスケープ的視点を学びたいというのがって、ここに進学したので、ブログでは「ノルウェーでランドスケープを学ぶ」と題しています。


また北欧において、ランドスケープという職業はどのような地位にあるかという質問ですが、
他の北欧諸国についてはあまり知らないのですが、ノルウェーに関して言うと、
ランドスケープアーキテクトという職業があります。
彼等は地理学を専攻しているはずで、建築を建てる際はランドスケープアーキテクトとアーキテクト(建築士)とインテリアアーキテクトが協力する必要があります。
私はこちらでもアーキテクトになる立場の人間ですが、ランドスケープアーキテクトと話をしていると、彼らは
『我々は建物の建て方は知らないが、建物をどこに配置するかは知っている』という言い方をしますね。つまり建築家は建築をどのようなデザインにするかとか構造をどうするかとか考える訳ですけど、ランドスケープアーキテクトは建物をどのように配置し、ヴィジュアルインパクトをおさえるかとか自然との一体感を出すかというのを意識するようですね。
時に対立する立場にあるアーキテクトとランドスケープアーキテクトなのですが、ランドスケープアーキテクトによって、建築家がエゴで自然を虐げることへの歯止めがかかっているといってもいいのではないかと思います。

不思議なことにノルディックカントリーでは建築士さえも資格制度がなく、
大学の建築学科で5年間(学士&修士)の教育を受けると、日本の一級建築士にあたる肩書き’sivil architekt’がつきます。だから多分、ランドスケープアーキテクトも5年間の地理学部(Geografy)あたりで専門をしぼってゆけば、ランドスケープアーキテクトという肩書きがとれるのではないでしょうか。


私自身はノルウェー人のパートナーがいて(ノルウェーの前にイタリアで二年間学んでいたのですが、その時に出会いました)、それがきっかけでノルウェーにも訪ねていきましたし、
ノルウェーで私が出来ることは何かという視点で探っていて、やはり北欧の自然とともに暮らす姿勢に感銘を受けましたし、家具や建築も木の使い方等日本と大変に通じるところがって、
そういうことも生活を通して接することができればと思っていました。
こちらに家族がいることもあって、大変快適に過ごしています。学業終了後もしばらくはこちらで生活してくことになりそうです。

こちらの大学院に関して言えば、私は英語で学ぶ少し特殊なコース(International Master Course)に所属しているので、使用言語は英語ですが、もちろん普通の生徒はノルウェー語で教育を受けています。そういう普通のコースで学ぶためにノルウェー語を一年間学ぶコースというのもうちの大学(NTNU)では用意されています。きっと他の大学にもあるでしょう。

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by motokologic | 2006-12-29 10:25 | Landscape/ Urban pla
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