J&K邸 基本設計 その2 設計条件

今回は設計条件について記してみる。国が違うので、法律や表記法等日本のそれと異なるところが多くあるが、ざっというと以下のような土地だ。

敷地条件
敷地面積 640㎡
建ぺい率限度 35% (車庫を床面積に含む)
延べ床面積制限 350㎡ (日本でいうところの容積率限度から割り出す延べ面積の代わり)
高さ制限 7m
塀の高さ制限 0,8m 
用途地域 住宅
土地に最大5,5mの高低差あり(南東ほど高い位置にある)
北側に道路、東側・西側に同面積ほどの隣地、南側は市町村所有地に面する
(建物は道路側から1mセットバック義務あり)
土地南東部(最も高い位置)に自然の木々が残る

敷地の大きさ、建蔽率、高さ制限、塀の高さ制限などから、日本の一般的住宅地(低層住宅地域)よりもさらにゆったりとした住宅地を作るためにそれらが設定されているのはわかるだろう。
敷地の大きさから、隣家との距離は自然に大きくなり、設計するにあたっては恵まれた条件といえる。
東側・西側の隣家は建設済み、もしくは現在建設中で、隣家との距離や開口部との兼ね合い等が現時点でわかるので設計しやすい。
道路反対側にもいくつか土地があり、一つの土地を除いて現在建設中または建設終了済みだ。これも距離感の把握、開口部配慮の意味で有難い。

立地 
ノルウェー南西部 Rogaland郡 Karmoey市郊外
近くに(新しい)小学校あり(直線距離約30m、入り口の門までの動線距離約150m)
市町村率先開発型の新しい住宅地(2010年8月までに着工開始義務あり)
南西方向と北東方向によい眺めあり(この土地は小学校の土地より高部に位置し、小学校建物の上部に視野が広がる)

新しく、小学校を建設し、その周辺を住宅地として切り開いている。近い将来、大型道路が近くを通る予定があり、現在よりも利便性がよくなる予定。
小学校があることからも考えられるように、小さな子供を持つ世代が多く引っ越してくることと思われる。
この地域はフィヨルドが入り組んでおり、様々な方角に海が存在するのだが、この土地からは南西方向の約1km先に海が望める。

クライアント(施主、建築主)
JさんとKさん夫妻、子供2人(3歳半と半年)
仕事は夫:石油関係(会社員)、妻:マスコミ関係(会社員)の共働き 

クライアントの要望
200~250㎡の住宅
2~3階建て
土地の高低差を活かした計画
家族間でお互いの存在感が適度に感じられる家
一階が地下っぽい暗い雰囲気を避ける
モダンな外観


希望する部屋
車庫(車は2台所有)
玄関
居間
台所(居間と同じ部屋にはしない)
両親の寝室
子供部屋(2つ。子供の年齢差3歳半なので分けたい)
浴室2つを別の階に(一つシャワーのみ、一つ浴槽つき)
ゲストルーム(兼仕事部屋)
洗濯室
倉庫(車庫近く)
倉庫(庭近く)
冷凍庫を置けるスペース
収納
テラス 等 

である。
建築事務所(または建築家)に依頼がある住宅物件として、最もスタンダードといえる要望。
特別かわった部屋と要望等はない。
予算は、延べ面積に対し少し少なめなので、抑えられるところは抑えたいが
予想するにどこか一箇所(数箇所?)に独自性を出す意味でお金をかけてもいいと思っている。
最大の課題は、高低差を生かしたプランにすること。またそうした上で施工費を抑えることであると思う。

現在のところ、基本設計のみの契約で、確認申請時の図面や、施工図面は他の人が描くことになっている。それは2010年8月までに着工を開始しなければならないという時間的制約がある中で、私が出産を控えており、また時として現場から物理的な距離がある場所にいるという理由から、確認申請を最も適切な時期に行えなさそうだということもある。私の課題としては、この基本設計の段階でいかに、プランを詰め、今後ほぼ一切変更のない形で、確認申請・実施図面、施工と進んでもらい、私の意図した建築に仕上げるかという点である。そして今後もできる最大限の範囲で、図面をみせてもらい、意見を言わしてもらえ、施工が始まれば現場に見に行き、という作業をしていきたい。それにはやはりコミュニケーションが至極大切だろう。
ちなみにノルウェーでは驚くべきことに建築士に現場監督義務というのは発生しない。それは施工会社の仕事である。理論的には建築士は図面を描き終われば、仕事完了だ。よって、印象として、ノルウェーの建築士は日本のそれと比べて驚くほど現場に行かないのだが、それは由々しき事態だと個人的には思っている。(そりゃあもちろんたまには行くが。)やはり図面は図面として、意図するところを最大限わかってもらえるよう、わかりやすい図面を描くことは必須だが、それでもやはり建築士が現場に行って、管理・監督・指示しなければ本来意図した建築物になるわけがないと思う。そこは肝に銘じて、基本設計を引き受けた限り、最後まで見届けたい。(もちろん建築は建て終わった時点で最後とはいえないのだが。。。)

現時点で、敷地図や土地の写真、また私の練っているプランを載せることは差し控えたいが、このプロジェクトが順調に進み、クライアントの承諾が得られれば、できる範囲で公開していきたいと思う。
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by motokologic | 2009-10-02 14:28 | Architecture
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